0. はじめに
私は大手SIerでAI活用を推進しつつ、個人でAIプロダクトも開発しています。
この記事では、私の知識を総動員して、
- AIの『今』
- AIの『仕組み』
- AIの『学び方・使い方』
- AIの『未来』
についてまとめてみます。
1. AIの『今』
今のトレンドは『汎用エージェント』

従来、ChatGPTなどの対話型サービスはあくまで「相談相手」であり、ローカルファイルの操作など、作業自体の代替は不可能でした。
それが少し前から、ローカル操作可能な手足のついた「コーディングエージェント」へシフト。
さらに最近は日常作業もこなす「汎用エージェント」へシフトしてます。
バイブコーディングから『バイブワーキング』へ

上の図はOpenClawと呼ばれる汎用エージェントのプロダクトのスター数の伸びです。
1月末から爆発的に増加しており、まさにバイブコーディングからバイブワーキングへシフトしていることを感じます。
私の事例 ~日常作業編~
私も日常的にClaude Codeを利用するヘビーユーザーです。
ここでは、汎用エージェントが流行る以前から無意識的に活用していた日常作業(バイブワーキング)の事例を紹介します。
(1) 就業管理入力
ブラウザを自動操作し、社内の就業管理システムへ稼働時間を自動入力しています。
以前はこの就業入力に毎日5分程度時間を取られていました。
1日5分でも、20日で100分。年間1,200分です。
個人ではこの程度でも、組織としての規模が大きければ掛け算で稼働時間が削減できます。
(2) 議事録の作成
社内勉強会のキャッチアップ資料、顧客打ち合わせなど、さまざまな議事録をAIで作成しています。
Teamsなどの議事録機能もありますが、精度が悪いと感じ自作しました。
精度が悪い原因は、ドメイン用語やプロジェクト背景等を伝えていないからです。
正しいドメイン知識を与え、かつWebサーチを用いた会議外の情報の付与することで、そのまま顧客に提出しても問題ないほどのリッチな議事録を数分で作成できるようになっています。
私の事例 ~コーディング編~
Claude Codeは本来コーディング向けですので、コーディングで活用した事例もご紹介します。

社内の散在するドキュメントをS3に集約し、RAG化してチャットでQA回答するシステムを自作しました。
- Cloudformationによるインフラ構築
- Cognitoによるユーザー管理
- その他dynamo、S3、Bedrock、Lambdaなど、複数サービスの利用
これらをAWSコンソールには一切触れず、1-2人日程度で構築しています。
余談:並列実行でPCが『カクカク』

私は普段の開発では、事前にしっかり実装計画を立てて、一気に並列で実装するようにしています。
並列実装中は1つのPCを10人前後が操作しているに等しい状態なので、低スペックPCだと他作業ができないほどに重くなったりします。
このあたりは親はローカル、サブエージェントはクラウドに展開するなど、ハイブリッドで展開できる機構を構想中です。
2. AIの『仕組み』

ここからは、AIエージェントがどう動いているのか、その構成要素をまとめます。
(1) ハーネス
AIを賢く安全に、長時間暴走させずに動かす仕組みのことです。 ツール自体のハーネスと、ユーザーが設計するハーネスの2層存在します。

ポイントは、
『同じモデルを使っていても、ハーネス設計によって動作は大きく異なる』
という点です。
そのため昨今は、モデルよりもハーネス設計のほうが重視されている印象です。
Claude Code | agentic ループ

Claude Codeで言えば、ユーザーの入力に対して以下のような動作をする『agentic ループ』がハーネスとして設計されています。
- Gather context
- Take action
- Verify results
- 必要に応じてループ
(2)コンテキスト

AIが作業時に参照できる情報のことです。
有限であるため、作業に必要な情報を必要な粒度で伝え、適切に管理する必要があります。(コンテキストエンジニアリング)

上の画像はClaude Codeでコンテキストを表示した画面です。
システムプロンプト(ハーネス指示など)や、自分が指示したメッセージ、MCPの情報などが保持されていることがわかります。
(3) SKILLS / MCP

SKILLSは "毎回同じ品質" を出すための仕組み。
MCPはエージェントが外部ツールに接続するための標準プロトコルです。
余談:MCPによるコンテキスト圧迫

MCPは初回起動時に、MCPサーバーが提供する全ツールの情報を取得します。そのためMCPを多く繋ぐと、コンテキストを圧迫しがちです。
一方でSKILLSは『段階的参照』であり、初回はyml部分しか読み取らず、実行時にマークダウン部分を参照する動きになっています。
最近SKILLSが流行っているのはこういった理由もあると思います。
MCPについては無闇に繋げばいいわけではなく、必要なツールのみを持ったMCPを自作するなど、コンテキスト管理と紐づけて考える必要があります。
3. AIの『学び方・使い方』
ここからは、普段私が実践しているAIの学び方、使い方をまとめます。
(1) とにかく使うこと / 10億トークンが目安

少し前にXでバズっていたClaude CodeのTipsにあり、私自身も実践していることです。
最近、世界クラスのロッククライマーが別のロッククライマーにインタビューされているのを見ました。 「ロッククライミングが上達するにはどうすればいいですか?」と聞かれると、彼女はただ「ロッククライミングです」と答えました。 ~抜粋~ 1万時間ルールではなく、10億トークンルールのように考えたいですね。AIを使いこなし、その仕組みを真に理解したいなら、たくさんのトークンを消費するのが一番です。 https://github.com/ykdojo/claude-code-tips
(2) 日常のあらゆることに使う

ファイル操作、リネーム、自分がやった方が早いことでも指示します。
こういったことから『AIに作業を委譲する』感覚を身につけることが大切だと思います。
(3) 『プロンプト』のコツ

AIへの指示のコツは 『何も知らない新人に指示するかの如く、丁寧に指示すること』です。 (新人と違うのは、アウトプットが異常に早いこと。)
毎日丁寧な指示を何十回もするのはとても大変ですが、修行と思って頑張っています。
なおこのあたりは別記事で詳細に解説しています。
(4) 『与えるべき情報』を考えるコツ
作業に必要な情報とは何か、それを考えるコツは
『まっさらな状態でこの依頼をされたら、自分はアウトプットが出せるか』
を自問自答することです。
AIは良くも悪くも、"5" 伝えたら "5" しか理解しません。
そしてAIは優秀なので、インプットさえしっかりしていれば、高品質のアウトプットを出してくれます。
つまりアウトプットが悪い = 与える情報が悪いとほぼ同義です。
とは言えコンテキスト上限があるため、なんでも与えればいいというわけではありません。
上記を自問自答し、本当に必要な情報を適切に与えるように意識してみてください。
(5) 余談:『AI業務適用』のコツ
ここまでは日常でAIを使う上で意識することをお話ししました。
一方で実業務へのAI適用を検討する場面も多いかと思います。
AI業務適用については別記事でまとめているので、興味がある方はご覧ください。
4. AIの『未来』
AIがインターフェースになり、AIを通してあらゆるものを操作する

今後半年から2年くらいで、フロントのUIはAIに統一され、AIを通してあらゆるものを操作する時代が来ると思っています。
そしてExcelやPowerPointと同じように、誰もが当たり前にAIを使うようになる。
また今は手動起動が多いですが、徐々に自動起動へシフトしていく流れもあると思います。
『音声入力』がアツイ

みなさんチャットよりも会議したほうが伝わりやすいと感じていませんか?
それはAIも同じで、音声で伝えた方が素早く、正確に情報を伝えることができます。
私は情報伝達は音声で、細かな作業は文章で、という使い方をしています。
5. 最後に
AIによって『作業代替』されたあとに大切なこと
(個人的な考えなので正解ではありません)
AIによって多くの作業が代替されてしまったあと、大事なのは. 『何をするか』『なぜやるか』を考え抜ける思考力だと思います。
仕事やプライベート、身近には課題がたくさんあります。
そんな日常のあらゆることに対して目を向け、課題を創出し、自ら解決しようと思う気持ちが大切になるのではないでしょうか。
目的さえしっかりしていれば、AIは手段を考えてくれます。
でも目的まで考えさせてしまったら、いよいよ人間の価値は無くなってしまう気がしています。
私は、何をすればみんなのためになるか、社会のためになるか、考えることが好きです。 そしてそれは1人ではなく、周りの人と議論している時が一番楽しいです。
そんな時間をたくさん作るためにも、ぜひみんなでAIを使いこなしていきましょう!